中国やASEANを中心に日本企業が進出する背景

日本企業の進出先は中国とASEANが過半数

日本企業の多くが中国、ASEANへ積極的に進出しています。
経済産業省の調査によると、2007年に海外進出している企業は約1万7,000社でしたが、2015年には約50%増加の約2万5,000社と、急増していることがわかります。
国・地域別にみると、中国とASEANが過半数を占めており、多くの日本企業が、中国、ASEANを拠点に海外進出を行っています。

しかしその一方で、課題もあります。
JETROが実施した2017年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査によると、アジア・オセアニア地域に進出する日本企業が問題点と感じているトップは、従業員の賃金上昇の65.3%でした。
業種別では製造業が7割以上の企業がコスト高を課題と感じています。

2位は、製造業の品質管理の難しさ50.5%でした。
特に中小企業が品質管理を問題視しており、いかに少ない人員でより良い製品を作り出すかに頭を悩ませている様子が伺えます。

次に、国別の課題をみてみましょう。
カンボジアやラオス、ミャンマーでは、従業員の質、インフラの未整備が挙げられており、人件費は安いもののそれ以外の障壁が進出を妨げることもあります。
フィリピンも、インフラの未整備が課題となっており、マニラ港からの道路が大渋滞しており、物流がスムーズに行かない上に、マニラ港以外の港は利便性が悪いので物流ルートが限られるという問題があるようです。

インドネシアやベトナムでは最低資本金や中古機械を輸入する際の規制などの法規が厳しく、中小企業の進出を阻んでいます。

世界の輸出市場ではASEANとインドのシェアが拡大

世界の輸出市場は2000年の6兆3,849億ドルでしたが、2016年には15兆6,195億ドルと2倍以上に増加しました。
日本や米国、EUなどの先進国のシェアが減少した一方で、ASEANのシェアが6.7%から7.3%へ拡大しており、ASEANとインドのシェアが伸びています。

世界の工場と呼ばれる中国は200年の3.9%から2016年には13.7%に増加。
賃金や生産コストの上昇が課題の中国ですが、現在でも強い存在感を示しています。

ASEANの輸出額をみてみると2000年の4,260億ドルから、2016年の1兆1,407億ドルと2.7倍程度。
インドの約4分の1の輸出額にとどまっているものの、伸びの勢いが強いのが特徴です。

国別に輸出のシェアをみると、ASEANではシンガポールとタイ、マレーシアのシェアの伸びが鈍化しています。
ASEANのなかでもいち早く発展を遂げてきた3か国ですが、経済発展に伴って人件費などのコストが周辺国に比べて高くなりました。
このためタイは自動車産業の輸出先の拡大、マレーシアは航空機器や医療機器の強化など、各国は高い付加価値を持つ産業など新たな戦略を打ち立てています。