日本企業の海外事業展開について

拡大意欲あるもののピーク時から比べると鈍化

JETROが日本企業を対象に、海外事業展開に関するアンケートを実施し、その調査結果の分析レポートを公開しています。

(参考記事)
日本企業の海外事業展開を読む | 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

これは2017年11月から2018年1月にかけて実施されたアンケート調査で、対象者は海外ビジネスに関心の高い日本企業約1万社。
日本企業の輸出や海外進出について、各国のビジネス環境についての評価、デジタル技術、自由貿易協定などについて調査しています。

調査で今後約3年の輸出方針について尋ねたところ、約7割の会社が輸出を拡大させる意向を示していることがわかりました。
しかし、拡大意向はピークの2015年から2年連続で減少しており、勢いは鈍化しています。

企業規模別に輸出拡大意向をみると、大企業は前年とほぼ同じの74.5%。
これに対して中小企業は、前年比2.7ポイント低下の66.4%に留まっています。

その一方で、輸出規模を現状維持する方針の企業が、前年比3.6%増の13.6%となりまし。
現状維持の理由を尋ねた所、人材不足などの答えが目立ちました。
輸出拡大をしたくても、人材不足で余力がない企業が多いことがうかがえます。
現状維持の比率が上がった業種は、商社・卸売をはじめ建設や運輸、サービスなど非製造業が多くなっています。

海外進出方針についても、今後さらに拡大する方針の企業は全体の57.1%と、過半数が意欲的です。
しかし、前年比で4.3%ポイント減少しています。
過去3年間、6割台でを維持した来ましたが、今回は6割台を割り込む結果となりました。

この傾向は大企業、中小企業ともに同様です。
減少傾向の理由として、進出先における人件費や生産コストの値上がりしていること、現地での労働力不足などが考えられます。
アジア地域へ進出する日本企業が多いのですが、経済発展によって人件費が上昇しており、さらに少子高齢化で労働力が確保できない課題があります。

ベトナムの魅力が急上昇

日本企業は、今後進出するとしたらどの国がよいと考えているのでしょうか。
1位は中国ですが、2位に急浮上したのがベトナムでした。
ベトナムは3年連続で増加してしており、特に非製造業の比率が、前年比7.7ポイント増の43.1%と急増しています。

ベトナムの魅力を各企業に訪ねたところ、持っても多かったのが、市場規模・成長性の82.2%でした。
次いで2位が親日的な国民感情の42.8%、3位が人件費の安さ、豊富な労働力の41.9%となっています。
ベトナム経済は順調に成長を続けており、消費市場が拡大しており、東南アジア諸国の中ではベトナムが最も魅力的な国といえそうです。

その一方で、タイやインドネシアへの進出意欲が減少しています。
これらの国では経済成長に伴って人件費や製造コストが上昇しており、旨味が薄くなっていることが原因です。

このほかの国では、米国やメキシコも減少傾向が続いています。
米国・メキシコに関しては、トランプ政権に変わったことで政策変更のリスクが大きくなったことが大きく影響しているようです。