世界から見た日本の不動産投資

首都圏の不動産投資は上昇へ

2016年における、日本の不動産投資市場の概況をみてみると、およそ次のような状況になっています。

まず、証券化対象不動産の取得実績が2年連続で減少しました。
2008年に米国のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破綻が発端で発生したリーマンショックによる金融危機から2014年度にかけて、不動産市場は回復基調で推移しつつも、不動産価格の値上がりによって不動産の取得が困難になってきています。
ピーク時の2007年度では、J-REITが1兆6790億円、TMK(特定目的会社)・GK(合同会社)、TK(匿名組合)などによる投資が7兆2050億円でしたが、2016年度ではJ-REITが2兆3190億円に伸びたものの、TMK・GK・TKによる投資額は2兆5100億円と、減少傾向にあります。

過去5年間の証券化対象不動産の用途別にみると、オフィスが38.2%、住宅が14.3%、商業施設が16.0%、物流施設が15.4%と、これらが取引額の8割を占める構造が続いています。

また近年は、海外観光客の増加によってホテルの需要が急速に高まっていることもあり、ホテル投資も増えてきました。

首都圏への不動投資状況は、2010年度以降は低迷していましたが、2016年度から上昇へ転じています。

不動産投資によるトータルリターンをみると、リーマンショックからの立ち直り局面、アベノミクス効果による上昇局面を経て、現在は次のサイクルへと移行しつつあり、緩やかな下降曲線を描き始めています。
その一方で、キャップレートは圧縮されており、価格上昇傾向がみられます。
金融機関の貸出競争が激化しているのも、価格上昇の1つの要因になっていると考えられるでしょう。

日本の不動産は低価格で高利回り

では、日本の不動産市場の魅力とは何なのでしょうか。
日本では不動産価格は上昇傾向にあるとはいうものの、世界規模でみると日本の不動産価格は安いのです。
日本の不動産は低価格なのが、大きな魅力です。

たとえば世界主要都市にあるマンションの平米単価と賃料の利回りを比較すると、東京はロンドンやニューヨークはもちろんのこと、香港、シンガポールといったアジア主要都市よりも価格が低くなっています。
東京のマンションは海外投資家にとって、少ない資金で取得できるだけでなく、高い利回りが期待できることを意味します。

このため海外の機関投資家をはじめ、アジアの個人投資家による高級マンション取得などの投資が多くみられます。
円安やデフレーション、2020年に開催される東京オリンピックなど、さまざまな要素で、日本不動産に対する期待が高まっていると考えられます。
今後も日本の不動産、特に東京の不動産は海外投資家から注目されることでしょう。